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食品のネット販売の専門家 ヤフー株式会社 桝竹 崇志さんが、インターネット店舗運営のポイントを解説します。
「インターネットでも食品は売れます!まずは出店してみましょう!」と言われても、普段、リアル店舗で直接お客様と接し、商品を販売している方でも、なかなかイメージが湧きづらいと思います。
また、インターネット上での出店に興味はあるものの、「どうやって売るの?」「本当に食べ物が売れるの?」といった不安から、なかなか踏み切れないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
初回である今回は、「モール型ECサイト」を想定して、インターネット店舗開店から商品陳列までの流れ、インターネットで商品を伝える方法、お客様とのつながりについて解説します。
インターネット店舗開店から商品陳列までの流れ
リアル店舗と同様、まずはお店を構えること、すなわち「インターネット上に出店する(今回はモール型ECサイトを想定)」ところからスタートします。
インターネット上にお店を出すことは難しいと思われがちですが、実は出店するまでの流れはとても簡単で、『Yahoo!ショッピング』などインターネット・ショッピングモール提供者を選定し申込むことによって、誰でもスムーズに出店できます。そして、店名も自分で決めることができるので、“自分のお店”を持つことができます。
出店をしたら、リアル店舗と同様に「店舗内装と商品陳列」をします。インターネットにおいては「ページ作成と商品の登録」です。ここがリアル店舗より自由度が高い部分です。“お洒落なお店にしたい”、“老舗風にしたい”など、”こういうお店にしたい”というお店の肝となる部分を、モール提供者のサポートを受けながら、出店者が自由にデザインし、理想の内装に仕上げます。
さらに、お店の看板商品を打ち出したり、地元の商品を陳列したり、豊富な商品数で勝負をしたりなど、お店の特色を出して、自慢の商品を登録したら、いざ開店です!インターネット上に自分のお店が開店し、お客様が商品を購入できるようになります。
インターネットで商品を伝える方法
インターネット店舗では、リアル店舗と違い、お客様は実際に商品を触ったり試食したりすることができません。では、お客様に自慢の商品を理解してもらい、買ってもらうにはどうしたらよいでしょうか?
一番大事なことは「お客様が欲しい情報について、商品画像を介して伝える」ことです。
商品の正面・側面・背面など、さまざまな角度から撮影をしたり、商品の開封前と開封後や食卓の雰囲気、包装イメージなど、お客様が知りたい情報を画像で伝えることで、お客様の購入にあたっての不安や悩みを解決することができます。商品画像を通じた「接客」がお客様の購入を導く決め手といえるでしょう。
こうして、リアル店舗と同様、来店されたお客様に対し、きちんとページ上で接客(画像を介してお客様に情報提供)をすることで、商品を販売することができます。
お客様とのつながり
互いに顔が見えないままインターネット上で食品を販売することについて、お客様とのつながりが“希薄”で、自慢の商品を食べて喜んでほしいという気持ちが伝わらず、物足りないのではないかと感じるかもしれません。
しかしながら、受注・発送の連絡など、やりとりをこまめにできる環境は整っており、お客様から“レビュー”という形で声をいただくことも可能です。心のこもった丁寧な対応をすれば、お客様に気持ちが届きます。お客様から喜びの声が届いた時は、きっと嬉しい瞬間が待っているはずです!
以前、インターネット店舗を開店・運営している北海道の農家を、私が訪問した時の話です。
経営者は「お客様に、うちの自信のある商品をたくさん届けたい!」と熱心に話してくださいました。インターネット店舗のページにも熱意があふれ、スタッフのみなさんの気持ちが伝わってきました。
東京に戻った私はインターネット上でこのお店の商品を注文することにしました。商品が届いて箱を開けると「はじめましての方も、いつも買ってくださっている方も、うちの商品を選んでくださってありがとうございます!」と手紙が入っていました。注文した商品はいつも以上においしく感じたことをよく覚えています。
インターネット店舗でも食品は売れます!それはお店がある場所が違うだけで、リアル店舗と同じです。もしくはそれ以上の可能性を秘めていると思います。
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