アグリウェブ読者のみなさま、本連載最後となる今回は、この1年を振り返り、これまでの当社の日本産品の輸出および海外事業について総括してみたいと思います。
日本の農産物・食品の輸出額が1兆円を超えた!
1兆円超え!この数字に聞き覚えがある方が多いのではないでしょうか?
財務省が公表した11月の貿易統計によれば、11月単月の食料品輸出額は速報値で899億円、1月〜11月までの累計では1兆633億円に上り、日本の農産物および食品の輸出額が1兆円を超えました。
これは輸出に関わる関係者全員にとって胸が躍るニュースで、このような喜ばしい状況を耳にすることができたことは感無量でございます。
“ジャパンブランド・スペシャリティストア”として日本産品の輸出を強化している当社も、微力ながらこの輸出額増加に貢献できたのではないか、と僭越ながら私も胸をなでおろしております。
日本産品の”価値”を伝えるPPIHの取組み
他方この1年間の当社の海外事業を振り返ると、様々なことがございました。まず出店に関しては、1年間で11店舗を新規出店いたしました。
直近では、昨年12月21日にタイ4号店となる「DON DON DONKI MBK Center」をオープンいたしました。新規出店国・地域としては、台湾・マレーシア・マカオと3か国あり、どの地域もおかげさまで大変好評を博しております。
次に日本産品の輸出において当社が推進しておりますPPIC(Pan Pacific International Club:輸出に関わる事業者さま・関係団体さまの会員組織)も、この1年で300社まで会員さまが増え、多岐にわたる日本産品を海外のお客さまへお届けすることができました。
特に人気の高い日本産品は、長崎県産の本マグロや熊本県産のうなぎ、鹿児島県産のGAP認証商品(青果物)などが挙げられます。
いかに日本産品の”価値”を伝えるか
このようにこれまで積極的に海外の小売販売していなかった日本産品を海外で展開することを通じて、この1年間で特に私が重要性を感じたことがひとつございます。
それは、【いかに日本産品の”価値”を伝えるか】ということです。
私たち日本人が、日頃当たり前に食している和食や日本食材のことを、海外のお客さまはほとんど知りません。しかしながら、その商品の背景や生産者さまのこだわりをしっかりと伝えることができれば、その”想い”と”こだわり”は必ず海外のお客さまにも伝わり、販売につながります。
実際に当社が今年新しく始めた”ふるふる”というコンシェルジュを配置した青果コーナーは、非常に人気を博し、高単価・高品質の価値を伝えることでご好評をいただいております。
最近では、11月に輸入解禁となった直後、全世界に先駆けてアメリカで販売した日本産のアールスメロンも現地品と比較すると高価でありながら、3日間で完売いたしました。アールスメロンに続いて販売しているクラウンマスクメロンも、現在人気を博しています。
日本の農産物の“価値”を、まるでラブレターのように海外のお客さまに【包み隠さず、嫌味なく、直截的にお伝えすること】。これこそが日本産品のマーケットインにおいて非常に重要なことだと考えています。
日本全国の生産者と出会い、世界中に日本産品を届けたい
閑話休題となりますが、PPICの三大憲章をここでご紹介させていただきます。
1.PPICは日本国内の生産者様に寄り添い、生産者様の商品と想いを世界中の顧客に届けます
2.PPICは日本産品を通じて、世界中の顧客に買い物の楽しさと感動を届けます
3.PPICは日本産品の販売拡大と普及活動に貢献し、生産者様へ安寧を届けます
このPPIC三大憲章は、当社の海外事業における理念でもございます。
日本の生産者さま・輸出に関わる事業者さま・そして海外のお客さま、
すべてのみなさまに日本の食を通して”喜び”と”幸せ”を届けられる。
それが日本産品の海外輸出という事業と、私は確信しております。
ぜひとも今後も日本全国の素晴らしい農産物をつくっている生産者さまと出会い、そして1人でも多くのお客さまへ日本産品を届けていきたいと思っております。
最後になりますが、12回にわたりお読みいただいたみなさまに改めて、感謝申し上げます。
日本の農産物の素晴らしさに誇りを持っていただき、ともにこれからも海外のお客さまへ日本産品をお届けしましょう!
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