(株式会社ZWEI 佐々木 俊文)
こんにちは、結婚相談所ツヴァイの佐々木です。
新型コロナウイルス感染症の出現・拡大により、「出会いの機会」が大きく減少したと言われています。外出先や職場での「自然な出会い」が少なくなっている今、“婚活サービス”を利用する方が増えていることをご存知でしょうか?
一口に“婚活サービス”と言っても様々なサービスがありますが、私たちツヴァイは婚活サービスの中でもより結婚への真剣度の高い方が集まる「結婚相談所」を全国50店舗で運営しています。
全国各地に店舗があるツヴァイでは、農業などの第一次産業に従事する方にも会員としてご活動いただいています。実際にスタッフが農業従事者の会員様と接する中でよく耳にするのが、
「普通に仕事をしていても、なかなか出会いの機会がない」
「私の代で絶やさないためにも、結婚して子供に跡を継いでもらいたい」
といったお声です。農業従事者にとって、“結婚”はご自身の家業(仕事)の存続にも直結する極めて重要な問題です。
そこで、本連載では、「婚活」というものをより身近に考えていただき、第一次産業に従事する皆様が結婚に向けてのお相手探しに前向きになっていただけるよう、「結婚」「農業(第一次産業)」「婚活」を軸に、「結婚事情と結婚観の変化〜地方・農業のいま・むかし〜」というテーマで連載いたします。第一弾の今回は、「日本の結婚事情」について考えてみます。
日本全体における「結婚」の現状を考えてみる
日本で年間に結婚するカップルがどれくらいいるか、みなさんご存知ですか?
厚生労働省の発表によると、2020年の一年間で入籍したカップルは52万5,507組。ちなみに前年の2019年は59万9,007組だったので、一年で7万3,500組も減少していることがわかります。
推移で見てみると、団塊の世代が20代を迎え結婚ラッシュとなった1972年をピークに減少トレンドに突入。婚姻件数が50万組を切る日も、そう遠くはなさそうです。
「日本の人口が減っていってるんだから、当たり前なんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。そこで、婚姻率(人口1,000人に対しての婚姻の割合)で比較したものがこちらです。
婚姻率の推移からも、日本が深刻な未婚化に陥っていることがわかります。
「婚姻件数」が減るから、「出生数」も減る。完全に悪循環に陥った日本の現状
婚姻件数が減ることはそれ単体で見ても非常に深刻ですが、もっと深刻なのは「出生数」の減少に直結することです。日本は他の国に比べ、非嫡出子(=婚姻関係にない者同士の間に生まれた子)の割合が極めて少ないことで有名です。
つまり、「結婚しないと子供を産みづらい・育てづらい文化が形成されてしまっている」「結婚しなければ子供を産まない」ため、婚姻件数が減ると必然的に「出生数」も減少してしまうのです。出生数の推移を見ると、婚姻件数を2〜3年ずらした形で推移しており、同じく減少していることがわかります。
今日本は【婚姻件数が減少→出生数も減少→少子高齢化や人口減少に直結】という悪循環に陥ってしまっています。私たち民間の婚活事業者も年々深刻化する社会問題に向き合いながら、日々サービス提供しています。
コロナが人々の価値観を変える!?出会いの機会が減ったことで生まれた新しいトレンド
そんな日本でも新型コロナウイルス感染症の出現・拡大により、ある変化が見られました。
人々のライフスタイルが変化し、リモートワークの普及・飲み会や合コンの自粛から、職場や外出先での出会いが激減。経済的・精神的な不安から女性を中心に結婚需要が高まったことも相まって、「自宅にいながら出会える」マッチングアプリなどのライトな“婚活サービス”を利用する方が増加したのです。
婚活サービスにはこの図のように今や様々なサービスがありますが、「結婚」というゴールに向け、ユーザーがより成婚率の高いサービスへと回遊する傾向にあります。マッチングアプリユーザーが増えたことで、この裾野が広がりました。
アプリで残念ながら結婚に至らなかった方の流入や、若いうちから効果的にお相手探しを始める方の増加により、20代を中心に結婚相談所の利用者も増加傾向にあります。ツヴァイでも、入会者に占める20代の構成比が2019年は21.3%だったのに対し、2021年は25.1%まで増加しています。他にもご来店された会員様のうち約半数が「マッチングアプリを使用していた」と回答する(※2022年2月の来店者)など、若年層を中心に結婚や婚活に関する価値観が変わってきていることがわかります。
奇しくも新型コロナウイルスという未曽有の危機をきっかけに、“婚活サービス”がさらに普及しました。「結婚」したい方が効率的にお相手探しを行う一つの手段として、“婚活サービス”が市民権を獲得し、以前の「結婚相談所=最後の砦」といったイメージも変わりつつあるのです。
第一回コラム、日本の結婚事情はいかがでしたでしょうか。次回は地方の結婚事情(都市部との違い)についてご紹介できればと思います。
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