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事業承継の専門家より、失敗しない事業承継のポイントを解説します。
ご無沙汰しております。後継者の学校大川原です。
しばらく休眠していましたが、アグリウェブコラムへの投稿を再開していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
再開第1弾は、親と子の葛藤についてです。
事業承継で見られるケース
事業承継は、いろんな人の人生が変わる瞬間ですが、特に、親子承継の場合、社長である親と後継者である子の人生は、事業承継をすることでこれまでとまったく違う人生になっていきます。
親は、これまでの経営者人生から次の人生(セカンドキャリア)に移行し、子は、これから経営者人生が始まります。
ただ、多くの経営者(親)と後継者(子)は、なぜか互いに事業承継の話がうまくできず、結局、事業承継が先延ばしになり、高齢や病気など時間切れのギリギリで事業承継せざるを得ない状態になってしまい、後継者は経営する準備ができずに経営者となるので、そこから5年〜10年苦労して経営していく方は少なくありません。
本当は、事業承継の5年前くらいから親と子で後継者が経営者になるための準備を進めていけば、スムーズにバトンタッチできて後継者は経営者になってからスタートダッシュができるのですが・・・。
互いに人生が変わる事業承継の話がうまくでず、経営者も後継者も、もやもやし、葛藤している方も多いのではないでしょうか。
考えるべきポイント
では、事業承継の話がうまくできないのは、なぜでしょう?
多くの経営者後継者と向き合ってきた経験から考えるべきポイントを3つに絞ってみました。
1. 事業承継で何が問題になるのかわかっていない
2. 事業承継することははじめてなので、やり方がわからない
3. プライドが邪魔して、わからないといえない
事業承継で何が問題になるのかわかっていない
1の「事業承継で何が問題になるのかわかっていない」は、別のコラムで丁寧に取り上げますが、後継者がいる経営者は、後継者がいれば事業承継がうまくいくと考えてしまい、事業承継の本当の恐ろしい問題がわからず、漠然とした不安だけが残っている方は、本気で向き合うのが難しいのだろうなと思います。
事業承継することがはじめてなので、やり方がわからない
2の「事業承継することははじめてなので、やり方がわからない」は、ほとんどの経営者後継者は、事業承継は人生一度だけ。経営者は、譲るのは初めてだし、後継者は譲られるのが初めて。人生一度だけで、初めてなので、わからなくて当たり前なのですが、わからないから事業承継の話を前向きに進めにくいところがあります。
プライドが邪魔して、わからないといえない
3の「プライドが邪魔して、わからないといえない」は、初めてという話とつながりますが、「事業承継のやり方がわからない」と思えたとしても、経営者は、これまで経営してきたプライドが邪魔してわからないと言えないし、後継者は、親に対して弱みを見せたくないなどのプライドが邪魔してわからないと言えなかったりして、互いにけん制しあって、事業承継の話を出しにくくなってしまいます。
上記3点がポイントになって、親子で葛藤し、事業承継の話がなかなか進まないということになってしまうことは多いです。
私が考える対応策としては、経営者も後継者が二人で「お互いが事業承継することは初めてだから一緒に考えていこう。」と目線を合わせて事業承継の話を進めることが一番良いのですが、
ただ、互いにプライドもありなかなかこうした話を当人たちだけでできない場合もあるので、そこは、経営者の奥様や専門家などの第三者が間に入って、仲介役として経営者と後継者が事業承継の話をする場を設けて、目線合わせを促すのが効果的です。
まずは目線が合えば、あとは事業承継に向けて合意形成しながら着実に進むだけになりますので、試してみてください。
今回のコラムが、皆さんが事業承継と向き合うための参考になったら幸いです。
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