農業は死亡事故が多い!?
農業を営むことに対して、「自然の中でのびのびと働くことができる」、「自分で食べ物を作ることにやりがいを感じる」など、農業ならではの楽しみややりがいをイメージされる方も多くいらっしゃると思います。
私自身も実家の稲刈りを手伝う中で、収穫されたお米を見ると1年間の苦労が報われるような、何とも言えない達成感を感じることがあります。
しかし、農業はそのようなポジティブなイメージがある一方で、作業中の死亡事故が多い業界であることはご存じでしょうか?
例えば、令和3年の農作業死亡事故について取りまとめた農林水産省の「令和3年に発生した農作業死亡事故の概要」では、令和3年の農作業事故死亡者数は242人となっています。(※1)
これは令和2年よりも24人減少をしているものの、就業者10万人当たり死亡事故者数で見ると、建設業が10万人あたり6.0人なのに対し、農業は10万人あたり10.5人と高い水準となっています。(※2)
※2 農林水産省「就業者10万人当たり死亡事故者数の推移」より抜粋
また、死亡事故の事故区分別の統計では、農業機械作業によるものが171人(農作業死亡事故全体の70.7%)、農業用施設作業によるものが7人(同2.9%)、機械・施設以外の作業によるものが64人(同26.4%)となっており、農業機械作業中の事故が圧倒的に多いことがわかります。
さらに、死亡事故の原因別の統計では、「機械の転落・転倒」が84人と農業機械作業による死亡事故の約半数(49.1%)を占めています。(※3)
※1 農林水産省「令和3年に発生した農作業死亡事故の概要」
※2 農林水産省「就業者10万人当たり死亡事故者数の推移」
※3 農林水産省「令和3年の農作業死亡事故について」
機械の転落や転倒が起きる要因には、機械の誤操作や運転時の不注意など人的要因もありますが、圃場出入り口の急勾配での横転や農道の見えにくい水路への転落など地理的要因もあるので、農業機械作業中の事故を減らすためにも、圃場や農場の周辺環境の危険箇所を見える化することが大事です。
作業者の労働安全を確保するために
GAPの取組においても、作業者の労働安全の観点から、農場で管理している圃場や倉庫、農産物取扱い施設、さらには農道といった周辺環境の危険箇所の把握が求められます。
引用:ASIAGAP_農場用管理点と適合基準ver2.3改定1版_穀物
上記のように、GAPの取組では労働安全に関するリスクを評価した上で、事故や怪我を防止するための対応策を作成することが求められます。
そのため、まずは圃場や周辺環境のどこに危険箇所があるのかを見える化することが必要です。
アグリノートで圃場の危険箇所を見える化しよう!
圃場や周辺環境の危険箇所の見える化には、アグリノートの「立て看板機能」が便利です。
立て看板機能はマップ画面上の好きなところに様々なアイコンやメモを残せる機能で、圃場内や農道などの危険箇所を見える化することができます。
(パソコンブラウザ版アグリノートのマップ画面)
この立て看板機能はパソコンブラウザ版、モバイルアプリ版両方のマップ画面で使用できるので、現場の作業者は圃場の危険箇所をあらかじめ把握した上で、作業に取り組むことができます。
実際にGAP認証を取得されているアグリノートユーザーにて、立て看板機能を用いて危険箇所を見える化した上で、マップ画面を圃場1枚ごとにプリントし、圃場の状態や注意点などのリスク評価を行った事例もあります。
※参考:アグリノートに貯めたデータは大切な財産。今後も農業を続けていくために有効活用していきたい。(群馬県利根郡農業生産法人 有限会社 髙橋菜園)
https://www.agri-note.jp/cases/case11/
また、立て看板機能ではアイコンにメモや画像、さらにはファイルのURLを一緒に残しておけるので、作業者に周知したい情報を掲載しておくのも良いでしょう。
このように立て看板機能を活用することで、圃場や周辺環境の危険箇所を見える化して作業者の労働安全の確保に役立てられるだけでなく、メモや添付画像で作業者への情報の周知といったより効率的な情報共有が可能です。
(パソコンブラウザ版アグリノートの立て看板利用イメージ)
アグリノートの立て看板機能の使い方については、以下の記事を参考にしてください。
参考:アグリノートヘルプセンター『ブラウザ版 記録編06 立て看板』
参考:アグリノートヘルプセンター『モバイル版 記録編07 立て看板』
今回はアグリノートの立て看板機能についてご紹介をしました。
農作業中の事故や怪我を少しでも減らすために、是非とも立て看板機能を活用ください。
そして、作業者の労働安全を確保して持続可能な農場経営を実践しましょう。
シリーズ「ゼロから始めるGAP!」は次が最後の記事となります。
次回は団体でGAPに取り組む際にお役立ていただける産地DXツール『アグリノートマネージャー』についてご紹介をいたします。
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