前回のコラムでは、日々の作業記録をデータで管理することで作業進捗を把握でき、適切な作業工程の管理・指示につながるというお話をしました。
続いて今回は「時間」をテーマに、記録データの活用についてご紹介します。
農作業の記録がデータ化されることで、農作業における「時間」をさまざまな角度で見ることができます。
誰が・どのくらい作業したのか、作業時間を把握したい
生産者の皆さんとお話しをする中で、「誰が・どの作業を・どれくらいの時間行ったのか、稼働した時間を把握したい」という要望をよく伺います。
時間を把握したい理由としては「従業員の農作業の得意不得意を見極めたい」、「作業の割り振りを決めるのに役立てたい」、「時間当たりの作業できる面積を把握したい」など、作業効率を高めたいという点で共通しているようです。
とはいえ、現在の管理の仕方では時間の把握が困難ではないでしょうか。例えば、このようなことは思い当たりませんか?
●タイムカードは押してもらっているが、出退勤しかわからない
●人によって記録の仕方がバラバラ
●記入漏れがあったり記録をつけることを忘れてしまったり、漏れ抜けが多い
●従業員に確認する手間が負担になっている
●日報で管理しているけれど、集計する時間がない
こうした例からは、時間を記録してもらっていても、必要な情報を正しく素早く集計することに課題があることが推察されます。
このような時間に関する課題は、農作業に関する記録をデータとして取得することで解決できます。
農作業の記録をデータとして残すことで、どのように知りたい時間の情報が見えてくるのか、アグリノートでの記録作成をもとにご案内します。
『アグリノート』に記録して作業時間を“みえる化”
アグリノートに日々の作業を記録すると自然と記録のつけ方がルール化され、さらに作業時間が自動で集計されるので、集計の手間が大幅に削減できます。
Point① 記録のつけ方が統一される
アグリノートにはパソコンブラウザ版とモバイルアプリ版があります。記録作成はどちらからでもできますが、従業員の皆さんそれぞれがご自身のスマートフォンで操作できるモバイルアプリ版が便利です。
記録の入力は項目を選択する操作が中心なので、書き方がバラバラで状況を把握しづらいといった課題が解消されます。
入力項目が統一されることで、のちの記録データの活用が可能になります。
圃場別、作付別、作業項目別、作業者別、などさまざまな視点で時間を把握できます。
Point② 記録はほぼ自動集計。出力して活用できる
アグリノートに入力した記録データは、期間、圃場、作付を指定して該当データを出力することができます。
帳票形式で出力できる『作業者別作業時間集計表』では、作業者ごとに[指定期間内にどの作業をどれだけ行ったか]が自動で集計されるので、作業ごとの所要時間がわかります。
▼アグリノート 出力機能による「作業者別作業時間集計表」
「作業者ごとの作業時間と作業内容から従業員それぞれの得意不得意が見え、担当の割り振りの見直しができた」、また「作業時間の記録から人件費の見直しを行い、収支の改善ができた」など、作業時間が“みえる化”されたことで課題解決につながったというケースもあります。適切な人員配置や作業の割り振りの検討、作業効率の向上に向けた時間の“みえる化”を、ぜひ実践してみてください。
目的に応じ記録の粒度を変え、得たい情報を把握する
農作業の記録をデータで管理することで、アナログでの管理では難しい「時間の情報」を把握できることをお話してきましたが、ご覧いただいた入力画面にある項目のすべてを記録しなければならないのは負担だ、と感じる方もいらっしゃると思います。
アグリノートへの記録づけにおける必須項目は[日付+圃場・作付+作業項目]です。作業者ごとの作業時間を把握したい場合は、この必須項目セットに[作業者]と[作業時間]も記録することになります。加えて、臨時スタッフの労務費も把握したいといった場合では、[単価]の設定で時給を登録しておくと、作付別の収支・コストの中で労務費が確認できるようになります。
▼アグリノート パソコンブラウザ版での支出(労務費)を表示した画面
農作業記録のデータ管理は、記録をつけている現在地がわかるだけでなく、蓄積されることで過去の振り返りとこれからの計画づくりにつながります。目的に沿った粒度での記録づけからはじめてみてはいかがでしょうか。
次回のコラムでは、コストの管理についてご紹介します。
営農支援アプリ『アグリノート』は、無料プランからはじめられます
アグリノートはパソコンやスマートフォンから簡単にはじめられます。ご利用登録時に設定したログイン情報(ID・パスワード)で、パソコンブラウザ版とモバイルアプリ版の両方をお使いいただくことができます。
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ01 はじめに』
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ02 準備をしよう!』
なお、アグリノートで作業進捗機能をご利用いただくには、あらかじめ農場で管理している「圃場」の設定と栽培する作物や品種を登録する「作付」の設定をした上で、日々の作業記録を作成する必要があります。各項目の設定・記録の作成方法は以下の記事をご覧ください。
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ03 初期設定をしよう!』
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ04 作業を記録しよう!』
ご利用は無料プランから!
アグリノートで農作業記録のデータ化と利活用をはじめましょう。
シリーズ『活かせ!生産データのポテンシャル!』のその他のコラムはこちら
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