こんにちは、(株)アグリゲートの長谷川です。
アグリゲートは、都心に9店舗を展開する八百屋「旬八青果店」で小売販売を行っています。自分たちが事業を行う中で、失敗と成功を繰り返したことで得た、「流通」、「販売」に関わる情報をお届けし、直接農業を営む方に活かしてもらえると幸いです。
前回、「生産物を東京で流通させる上での課題」をお伝えしましたが、今回は、「東京で販路拡大する〜短期出店と商談会〜」についてお伝えします。
具体的にイメージを持ち、事前準備を周到に
東京で販路拡大とひと口に言っても、まず何からしたらいいのか、どうしたらいかにスムーズにスタートを切るかが大きな鍵になり、新規に開拓する市場で、新しい土地、新しい顧客に対していかに向き合うかが重要なポイントです。
そのために、まず事前準備を念入りにしなければいけません。出荷先となる東京における顧客のライフスタイルをよく把握すること、たとえば車社会か電車社会か、家族構成や人数など購買層の「生活」を知ることにより、ターゲット像を明確にすることが重要です。
「いつ、どこで、だれに、どうやって、どのくらい届けるのか。」具体的に販売シーンや顧客をイメージして、出荷計画を組むことが、まずは第一歩です。
ただし、今の生産量や労力との兼ね合いやバランスを見落とさないようにしましょう。新しいことに取り組むことは、エネルギーが必要になります。
具体的なイメージや計画をもって取り組んだことであれば、万が一予想が外れた時でも、何が違っていたか、どこが想定外だったのかの軌道修正を行うことができます。しかし、なんとなくはじめたことは、改善のポイントも見つけにくくなります。
自社商品を徹底分析する
さらにもうひとつ絶対に忘れてはいけないことがあります。「何を」販売するのかです。
勝負の舞台は、人・物・情報があふれた東京。上京して世間の大きさを知る若者と同じように、自社の製品も、荒波にさらされるとわかっておきたいもの。競合商品に打ち勝つには、まず自社の製品の特長を徹底的に調べて把握し、アピールできなくてはなりません。
商品の特長となる味や形状、大きさ、栽培方法のこだわり、地元での評判、全国的な位置づけなどを徹底的に分析し、商品の特長を把握することで、ビジネスチャンスが広がっていくのです。
催事や商談会への出店という方法
それでは実際に、今回はまず短期間で取り組める2つの方法を紹介します。
一つ目は都内で開催される催事やマルシェ。
これから本格的に都内への販路を考えている農家さんにとって、出荷量などを推しはかるには、期間の決まっているマルシェや催事が絶好の場になります。実際に現場で販売に立ち会うことなども、非常に貴重な経験になりますので、無理のない範囲で検討されることをおすすめします。
二つ目に商談会などへの出店です。
そこで今後長く取引できるパートナー企業や顧客を見つけにいく方法があります。商談会の場は、業界の動向や顧客のニーズなど、情報収集の場としても大いに活用ができます。
また自社ではアピールポイントとして感じていなかった商品や、取り組みも、人目にふれ、多角的に判断されることで、思わぬ取引の提案などを受けるチャンスにも出くわす可能性があります。
名刺交換などをする中で、手応えがありそうな企業や顧客には、すぐにパンフレットやサンプルの発送を行えるように、事前に商談会後に必要となるものについても準備を進めておきましょう。
アグリゲートの試みとして
当社でも、先日開催した催事の一区間において、桃農家さんにPRスペースとして出店をしていただきました。
催事期間中は農家さんも都内にお越しくださり、実際に催事ブース内で販売もしていただきました。直接お客様との対話などを通して、今後東京で販売をする上での、有意義な場として活用してくださいました。
東京は商品が多く、情報にあふれており、またライフスタイルも多様です。
そのため商品をただ陳列するだけではなく、いかにお客様それぞれのニーズにあわせて提案ができるか、付加価値を提供できるかどうかが重要になるのです。
アグリゲートではdelicious × value × deliveryを掛け合わせた造語で、「美味しいものをしっかりと価値を付けてお届けする人」を意味する、デリバーというスタッフがその任務を全うしています。
丹精こめて栽培され、仕入れて運ばれてきた商品の数々を、都内のお客様にお届けするために。末端となる販売まで担う責任の重さを感じながら、弊社も「東京での販路拡大」のひとつとなる催事活動にも定期的に取り組んでいます。
当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されております。
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