こんにちは!フィデスの久保京子です。
私は消費生活アドバイザーとして、消費者目線で考えるこれからの食ビジネスのヒントをお届けします。
早くも「おせち」の予約販売が各社で始まり、秋に向けて商戦が活発ですね。
昭和生まれの私にとっては、一般家庭において「おせち」は各家庭で手作りして重詰めするものであり、市販の重箱タイプの「おせち」を予約注文して購入するということには、まだ少し抵抗があります。
ところが、富士経済調査によると、重詰(完成品)おせち市場は今や600億円規模で拡大しており(※1)、ネット通販が市場をけん引している模様です。
楽天市場では、おせち流通総額が11〜16年新春の5年間で1.75倍に拡大。(※2)
高島屋においても、2000年以降毎年売上が上昇しており、2018年新春おせちは店頭売上目標+3%に対して、オンラインストア売上目標を+13.5%に設定しています。(※3)
少子高齢化、核家族化等々、ライフスタイルの変化や多様化は、家庭で「調理すること」や考え方にも大きな影響を与えていることが想像できます。
そこで、今回は日本政策金融公庫が平成28年7月に実施した消費者動向調査より、実際にどの程度の消費者が「調理している」のか、「調理すること」に対して何を志向しているのかといった調理の実態について確認してみました。
《調査のポイント》
- 毎日調理する人は5割、調理しない人は2割。家庭内における調理者は女性中心
- 調理しない人は、8割以上が家庭内の誰かが調理してくれたものを食べている
- 調理への考え方 「できるだけ簡単に」「おいしいもの」を作りたい
- 「調理時間」、約半数が現状のままで良い。女性の方が「時短」意識強い
- 手作りにこだわりながら時短したい
- 調理の学びは、家庭内より料理本やインターネットで
毎日調理する人は5割、調理しない人は2割。家庭内における調理者は女性中心
「ほぼ毎日」が全体の48.2%。性別にみると女性が76.8%、男性は 19.6%に留まる。
年代別では、年代が高くなるほど「ほぼ毎日」の割合が高く、60代は53.9%、70代は59.7%に対して、子育て世代の20代は28.6%、30代は42.0%に留まる。
また、「基本的に調理をしない」は全体で 19.5%となっており、女性は4.8%、男性では 34.1%となった。
調理しない人は、8割以上が家庭内の誰かが調理してくれたものを食べている
基本的に調理しない人の普段の食事では、「家庭内の誰かが調理してくれたものを食べている」が 85.9%となった。
「惣菜、弁当、冷凍食品、インスタント食品など」が20.6%、「外食」が15.2%になった。
調理への考え方 「できるだけ簡単に」「おいしいもの」を作りたい
調理をする人の「調理をすること」に対する考え方について、「できるだけ簡単にしたい」が 34.8%で最多となった。次いで「おいしいものを作りたい」が 29.4%、「栄養バランスがとれたものにしたい」が16.1%。
性別で比較すると、男女間で上位3項目の順位は変わらないものの、「栄養バランスがとれたものにしたい」(女性20.2%、男性10.3%)、「なるべく手作りしたい」(女性14.3%、男性7.3%)の項目では、女性が男性よりも顕著に高くなっている。一方、「できるだけ簡単にしたい」は(女性31.6%、男性39.3%)と、男性が女性よりも高い傾向。
家庭内での調理実態 〜女性の8割弱が毎日調理。手作りしながら時短もしたい〜② に続きます。
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