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農事組合法人と比べた場合,株式会社のメリットはなんですか。
農事組合法人の持分の評価は、純資産価額方式しか認められませんが、株式会社であれば類似業種比準価額方式との併用が可能です。一般には、類似業種比準価額方式によって純資産価額方式よりも相続税評価額が下がり、株式会社への組織変更によって出資者(株主)の相続税が軽減されることがあります。
また、農事組合法人は、配当の金額に関係なく毎事業年度の剰余金の10分の1以上を定款で定める額に達するまで利益準備金として積立てることが義務付けられています。このため、農業経営基盤準備金制度を活用しようとする場合、利益準備金を積み立てた分だけ剰余金処分による農業経営基盤強化準備金の積立てが制限されて課税所得が増えることになります。これに対して、株式会社では出資配当をしない限り、利益準備金を積み立てる必要はなく、その分、剰余金処分による農業経営基盤強化準備金の積立てを増やして法人税を軽減することができます。
税制上以外の面では、農業経営を行う農事組合法人が行うことができる事業が農業及び農業関連事業、併せ行う林業、これらの附帯事業に限られているのに対して、株式会社では事業に制限がないことが大きなメリットです。なお、株式会社であっても、農地保有適格法人(旧・農業生産法人)の要件を満たすうえで農地法による制限を受けますが、直近3ヵ年における農業に係る売上高が売上高全体の過半を占めていれば、農業及び農業関連事業以外でも行うことができます。
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